「カロテノイド」の特徴

 

植物や微生物は「カロテノイド」を生産できるのですが、動物は「カロテノイド」を生合成できません。鮭などはわかりやすい例で鮭の身が紅いのは、餌料中に含まれる「カロテノイド」を吸収・代謝して蓄積しているからです。

 

「カロテノイド」は、既に700種類以上が自然界で発見されているそうで、その中で大きく分けて、炭素と水素のみでできているカロテン類と、酸素などを含むキサントフィル類に分類されているわけです。

 

ちょっと蛇足ですが、カロテンは、以前はカロチンと言われていたのを覚えていると思います。実は、カロチンはドイツ語で、カロテンは英語なのですが、どちらも合成語です。

 

最初に発見されたニンジン(キャロット)に由来していますが、五訂日本食品標準成分表での表記が「カロチン」から「カロテン」に変更されています。ともあれ動物は「カロテノイド」を生合成できないので、食物から摂取することになるのですが、基本的に極性溶媒に溶けにくく、非極性溶媒に溶ける特性があり、そのため、脂肪といっしょに摂取すると効率的に吸収されます。

 

ちなみに、カロテン類は動物が吸収するとビタミンAになります。「カロテノイド」の摂取についてですが、1日合計10ミリグラムをいろいろな種類の野菜や果物などから摂ることが望ましいとされています。

 

その目安となるのは、厚生労働省の「健康日本21」で推奨している、緑黄色野菜を120g以上を含む1日350g以上の野菜を摂る方法がわかりやすいでしょう。野菜は、抗酸化力が強いビタミンC、Eなども含み、「カロテノイド」と相互で作用を高めます。